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相続で戸籍を集める -法定相続人の調査・確定するために-

相続手続のために、銀行の窓口を訪れて必要書類として、『亡くなった方(被相続人)の生まれてから亡くなるまでの戸籍と相続人の戸籍を持って来てください。』と説明を受けた方が多くいらっしゃると思います。あるいは、金融機関の窓口で相続人の方が被相続人の亡くなったことが分かる現在戸籍謄本のみを持ってきて、『必要な戸籍謄本等が足りないので、不足している戸籍謄本類を集めて、改めて窓口に来てください。』と言われている方をお見受けすることもあります。正確に言えば、被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本等と相続人の戸籍謄本(抄本)を集めて持って来てくださいということになりますが、戸籍謄本等を取り慣れていない方にとって、必要な戸籍謄本(抄本)を集めることは大変なことでないしょうか。

 

 実際には戸籍の謄本(抄本)と言っても、現在戸籍謄本(全部事項証明)・現在戸籍抄本(個人事項証明)や改製原戸籍謄本(抄本)、除籍謄本(抄本)があります。相続手続では被相続人の法定相続人を確定するために、被相続人の現在戸籍謄本(全部事項証明)から前の戸籍謄本(改製原戸籍謄本)を取り、順番に遡って改製原戸籍謄本や除籍謄本について生まれたときから亡くなるまで全ての戸籍謄本類を揃えます。被相続人に配偶者やお子さんがいないと被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になるため、被相続人の両親の戸籍謄本類まで遡り、半血の兄弟姉妹(異父兄弟姉妹・異母兄弟姉妹)の有無を調べる必要があり、配偶者や子供が法定相続人となるケースよりも法定相続人を確定するまでの時間が掛かり集める戸籍謄本類の数も増えます。また、兄弟姉妹の方が亡くなっているときは、代襲相続となるため、甥や姪の戸籍謄本類も必要となるため更に集めるのに時間を要すことになります。

 

 被相続人や相続人の戸籍謄本類を収集するためには、市区町村の窓口に直接出向き交付請求をするか、郵送で交付請求をすることになります。郵送請求の場合、多くの市区町村は定額小為替や普通為替で交付手数料を納めるよう指示しており、交付申請書や所定の定額小為替または普通為替、返信用封筒を同封して送ります。定額小為替・普通為替は、郵便局で購入しますが、発行してもらうために手数料が掛かるうえ、ゆうちょ銀行の窓口が取扱窓口となるため土曜日・日曜日・祝日・年末年始は発行してもらうことができません。郵送で戸籍謄本類を請求する際の注意点として、料金不足で送ってしまうと差出人に戻ってくる可能性もあるので、ポストに投函される前に郵便局の窓口で郵便料金を確認して投函されることをお勧めします。

 また、通常郵便扱いで郵送請求すると投函してから手元に戸籍謄本類が早くても1週間程度、通常だと2週間前後位掛かります。投函のタイミングが悪いと市区町村の休庁日や悪天候による遅配等が重なってしまうと3週間位掛かることもあります。もし、戸籍謄本類の収集を急いでいるときは速達で送り、返信用封筒も速達郵便にしておけば通常郵便でのやり取りよりも戸籍謄本類を早く手元に入りやすくなります。

 

 市町村合併によりどこの市区町村に戸籍謄本類を請求をしたらよいか分からない場合は、インターネットから市区町村の合併や名称の変更等に関する情報を検索して調べるのが簡便です。どおしても請求先が分からない場合は、インターネット等で請求先の市区町村のあたりをつけ、あたりをつけた市区町村の窓口に問い合わせをしてみましょう。

 もう一つ厄介なことは、手書きによる改製原戸籍謄本や除籍謄本だと崩し字や記載した職員の筆癖により判読が難しい場合があります。相続手続等で戸籍謄本類を読み慣れているある者であれば、程度の崩し字等の判読もできますが、どうしても判読できない場合は請求先の市区町村の窓口に問い合わせして、記述内容を聞くことになります。

 

 法定相続人を確定するために、被相続人や相続人の戸籍謄本類の請求を窓口に行って請求するのであれば、担当職員の方が対応して必要な戸籍謄本類を集めることができます。しかしながら、遠方の市区町村や近場の市区町村でも開庁時間に行けない場合は郵送による戸籍謄本類の請求を利用することになります。郵送請求の場合、市区町村の担当者が開庁時間中に電話で請求者に問い合わせをしてくることが多く、返答が遅れると手元に戸籍謄本類が届くのが遅くなる原因になるので注意してください。

 

 最後に、被相続人の戸籍謄本類と相続人の戸籍謄本(抄本)等を集めて法定相続人が確定したら、法務局に法定相続情報一覧図を作成、申請して、登記官の(認証文付き)法定相続情報一覧図の交付をお勧めします。法務局から交付された手元にを利用するメリットとしては、金融機関で相続手続のために窓口を訪れると、被相続人と法定相続人を確認するため、収集した戸籍謄本類か、(認証文付き)法定相続情報一覧図を提出してコピーして返してもらうことになります。認証文がついた法定相続情報一覧図であれば1枚か2枚程度のコピーで済みますが、戸籍謄本類を提出した場合は全ての戸籍謄本類をコピーするのにも相当な時間が掛かり待たされてしまいます。但し、兄弟姉妹のみの相続や被相続人と相続人の関係が複雑な場合は、金融機関によっては(認証文付き)法定相続情報一覧図のみの提出だけでなく、戸籍謄本類の提出を求められることもあるので、念のため窓口に行って相続手続を行う際は、収集した戸籍謄本類も持って行けば二度手間になることがありません。また、相続による不動産登記の手続のときにも(認証文付き)法定相続情報一覧図を提出すれば、戸籍謄本類を提出する必要はありません。

 

 ご自身で戸籍謄本類を集めるために、戸籍謄本の請求に関するインターネット検索や、窓口での請求もしくは郵送請求が煩わしい方、難しい方、お時間のない方は、行政書士や司法書士等の専門家が代理で相続に関する戸籍謄本類を集めることができます。また、行政書士・司法書士・弁護士等は法定相続証明制度に基づく法定相続情報一覧図の作成や代理申請もできるのでご相談ください。

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